ネガティブな感情をポジティブな状態に切り替えるための対処法


①日記をつける
 毎日ポジティブなことのみを三行程度、或いは箇条書きで三つ、日記につけるとよいです。
 普段から、楽しいことを自分から作りにいくようにして、そのことについて書き出すことで記憶にとどめて、後で読み返して、反芻して、何度も味わうことで、前向きな気持ちに立ち返らせるという対処です。
 楽しいことは自分自身で探したり見つけたりしていかないと、いざ目の前で楽しいことが起こっても気づけないですから、自分から行動した結果として得ることができた気付きなどをアウトプットとして繋げると良いでしょう。

 また、楽しいことをすると、脳ではドーパミンが出ます。
 ただし、その効果は10分程度しか持たず、書き留めておかないとやがて忘れてしまうので、やはり「楽しさ × アウトプット」というかたちで書いていくのがよいでしょう。

 例えば、
 ・机を掃除したら意外と熱中して、きれいになったしすっきりしてよかった。
 ・洗い物を手伝ってあげたら感謝されて嬉しかった。
 ・朝の光を浴びながら散歩をしたら気持ちがよかった。

 最初はこのくらいの簡単に書けるやり方で始めていけばよいのです。
 慣れてきたら最も楽しかった事についてもう少し書くなど、少しずつ長く書けるように挑戦していくと良いです。

 

②ポジティブな言葉を使う
 思考だけでなく発言もポジティブにすることで、より自分からポジティブな行動を起こせる環境を作り出していくことが大切です。
 世の中は、「〇〇が好き」と言っていれば気の合う仲間が集まって来るものだし、「人生は楽しい」と言っていればそう思っている人達が集まるものです。

 ただし、「思っている」というだけでは自分一人だけで一生懸命頑張らないといけないし大変なので、せっかくなら自分からポジティブな発言をして、それを周囲に伝えて共感してもらう方が良いです。
 ポジティブな発言をしていくだけであっても、決して意外なことではなく少しずつ人生が変わっていくものなのです。

 

③行動を置き換える
 ネガティブな行動をポジティブな行動に置き換えるとよいです。

 例えば、
 ・陰口よりも陰褒めをする
 ・恨むよりも忘れてしまう
 ・嫉妬するよりも「スゴイ!」と言ってみる
 ・腹が立ったら筋トレか有酸素運動をして体を動かす

 このように行動を置き換えるだけでも、気持ちが少し上向くものです。
 腹を立てても筋トレや有酸素運動をすればストレス発散もできますし、今よりもイイ体を手に入れることができるでしょう。
 というように、クヨクヨ悩んだり落ち込む暇があれば、改善策や他のやり方を探して見つける方が何倍も良いのです。

 

④他の刺激を入れる
 自分を責めるなどのネガティブなことばかり考えてしまう場合、まずはリラックスする時間を作るようにするとよいです。
 例えば、風呂やサウナに入ると、脳では「気持ちよい」や「熱い」というたった今起きたことに反応することの方が優先されるので、それまで考えていた不安や心配などのネガティブなことを、引き続き考えたり維持したりすることが難しくなるのです。
 また、入った後にはリラックスできるので、その後に前向きな事を考えたり、今日あった良い事を思い出して日記を付けたり、就寝の準備をして布団に入るなりして、あわよくばそのまま眠りについてしまった方がよいでしょう。

 不安なことを考えている時は、脳にある扁桃体が興奮している状態にあります。
 その扁桃体をリラックスさせる方法は、例えば以下のように他の面から刺激を入れることなのです。

 (1) 脳の中に言語情報を入れる(読む、書く、話すなど)
 (2) 人との繋がりを持つ、誰かと一緒にいる(オキシトシンの分泌)
 (3) 視覚以外の外部刺激を入れる(五感刺激)

 特に(3)については前述の風呂やサウナの例もあり分かりやすいと思いますが、体中で熱さを体感しているという外部刺激があるため、ネガティブな思考や感情からそちらの方に気が削がれて扁桃体の興奮が和らぐことになると言われています。

 ネガティブな感情に包まれて扁桃体が興奮していても、風呂やサウナで「熱い」に情報が集中しすると、扁桃体の状態に「熱い」が加わるようになり分散していきます。
 そしてやがて、「気持ちいい」、「リラックス」などと変わっていきます。
 その他、もし火傷するほどが熱いなら条件反射が出るほど扁桃体が興奮することになったり、この後にもマッサージなどで揉む刺激などが加われば、脳の注意はさらにそちらにも向いていくことになります。

 このように、外部からの刺激、特に気持ちの良い刺激を与えることで、それまでの感情からリラックス状態に切り替えることができます。
 だから、冒頭のように「まずはリラックスする時間を作るようにする」のが良いでしょう。
 そうすれば、強制的に気をそらすことができる上に徐々に減らしていかれますし、ネガティブな感情を爆発させていつの間にか時間が経っていたという残念な時間も減らすことに繋がるでしょう。