①目的、計画、準備は適切か
大体の失敗は、慢心、思い込み、準備不足によるものが多いものです。
しかし、これらに当てはまらないのにうまくいかない時もあります。
そういう時は、目的も定まっていないのにふらふらとどうでもいい思考を繰り返したり、計画ばかりして「ああでもない、こうでもない」とやっていないでしょうか。
また、目的も計画もしっかり立てたのに、それで満足してしまい、行動が伴っていいないのではないでしょうか。
練習や下準備ばかりして実際の挑戦をしないから、物事が停滞したり、何も成し遂げられていないと不安に駆られているだけなのではないでしょうか。
王道を進むのも、誰かの真似をしたりするのも成功の方法かもしれませんが、せっかく自分で目的を持って計画を立てて行動しているのですから、それが適切かどうかを振り返る必要もあります。
また、計画していた当時と現在では状況が変わっていることもありますから、少なくとも現状に合わせて柔軟に計画を修正して対応していかないと、うまくいくはずのこともうまくいかなくなるのです。
②遠回りを気にし過ぎていないか
もし成功や達成までの段取りが既に解明されていて、その手順の通りにやればうまくいくのに停滞しているのなら、自分なりのやり方をすぐに改めるべきです。
しかし、現実には手探りで進んでいかなければならないこともあります。
例えば、成功するまでの最短の手順が10手で、あなたが3手目から20手分遠回りして、本来の手順の9手目に辿り着き、本来の手順通り10手目を進んで成功するということもあり得るのです。
長期的に見れば、ほぼ全ての遠回りは最短コースにつながっているものですが、しかしそれは一度でも成功して改善を繰り返していくことを経験しないと分からないことです。
これは、本来の手順から見れば途中で迷子になっているとも言えるのですが、迷子になった時には方位磁石や羅針盤のように、何らかの指針が必要です。
うまくいくために、目的と計画を定期的に見返し、必要であれば改善しているでしょうか。
今日やることを書き出し、今日やったことを振り返り、明日やる予定を立てているでしょうか。
他人に、「不器用」とか「どんくさい」 と言われて落ち込むような時間が過剰ではないでしょうか。
自分ではちゃんとしていると思っても、後から見返すと言葉が曖昧とか、何を言っているか分からないという拙さがありますから、ここが遠回りをさせている原因の一つということもあるでしょう。
週一回確認するとか、自分が少しでもレベルアップを感じたらすぐに振り返るくらいの確認頻度は必要です。
また、他人の意見は辛辣な時もありますが、客観的な分正しいことも多いです。
自分が無目的、無計画、無策、丸腰であればあるほどグサッとくることもあるでしょう。
しかし、ちゃんと考えていればそれだけ「自分はこう考えてやった」と言えるでしょうし、非効率的であることも少なくなりますから、変なことを言われることもなくなっていきます。
今の力で全身全霊で取り組んだ上で、一切言い訳できないくらいの失敗をしたということがあっても、その遠回りの蓄積は、それ以降に必ず自分の武器になるでしょう。
「反省」をするのなら「フィードバックの時間」と捉えて時間を決めて、原因と対策を把握して次のために対策を立てる時間に使うようにして、いつまでもクヨクヨと悩んだり自分で自分を精神攻撃する時間にしないことです。
③見方を変える
現実に起こった事実を変えることはできませんが、現実の見方を変えることは一瞬で可能です。
もちろん、曲解や負け惜しみで無理やりこじつけることととは異なりますが。
もしあなたの周りの人が我儘で身勝手な人であればあるほど、「自分は今、最高の訓練を受けている」と考えた方が気持ちは楽になります。
これを「イヤだなあ、コイツら。自分のことばかり考えてないで、もう少し周り見てよ。」と考えていると、世間一般の常識人にはなれるでしょうが、要らぬストレスを抱えることになります。
それよりは、「実害が出たらこう対応しよう」とか、「自分の案を感情的な発言で潰されないように、データを元に論理的な案にしておこう」とか、「その相手が相談されたら困る人と仲良くなっておこう」などと考えられる人になる方が現実的です。
残念ながら世の中には我儘な人や身勝手な人だけでなく、「よくそれでここまでやってこられたね」と思うような想像を絶する人がいて、長い人生では何度か出会うこともありますから、「イヤだなあ」と思って気持ちが萎れてしまうよりも、見方を変えてうまく立ち回った方が主導権を握られずに済むのです。
④心構えはできているか
自己評価の高さと成功の度合いは比例します。
第一に、「自分なら絶対やれる」とか、「自分なら夢が叶う」と信じて行動することです。
誰もやったことがないことに立ち向かわなければならない時だってあります。
そんな時にうまくいく根拠など都合よくあるわけがありませんが、それでも自分を信じて行動することです。
第二に、具体的、鮮明なイメージで、物事を考える習慣をつけることです。
不安も不満もたくさんあるかもしれませんが、松下幸之助だって、経営に成功した理由は「偶然」と言っているくらいです。
誰だって、その時点で自分の置かれた環境に合わせてできることを適切に行えなければ前に進めませんから、冷静に、できる限り明確で具体的なイメージをもって物事を考える習慣をつけることです。
第三に、自分の夢に具体的な期限を設けることです。
先行きなど誰にも読めないのですし、不透明なのに根拠を突き詰めていけばいくほど前向きな話にはならずに気持ちが沈んでゆくものです。
ですから、自分の夢には具体的な期限を設け、いつまでにどこまでやれば成功かをはっきりさせ、何となくだらだらとやらないようにすることです。
⑤努力の仕方は合っているか
成果が出なくて悩んでいる人は、やり方そのものを習得できていないため、努力の効率が悪いということになります。
例えば、一般的なことなら、マニュアルや説明書やヘルプといったものを自力で読んで自力で対応できる力。
勉強なら、読解したり公式や前提条件を元にして問題を解ける力。
仕事なら、その作業に取り掛かって完了させるまでの手順をこなせる力、何が問題かを判断して解決する力、といったものです。
努力すればするほど成功の見込みは高くなりますから、自分がどれだけ努力できるか、その努力の総量で勝負することです。
捉え方は様々あるでしょうが、自己確認できるように記録をつけたり、意識を高める手順や問題を解決していく方法を具体化して蓄積していくことを「目に見える努力」と言います。
成功者ほど、運任せのギャンブルなどには頼らないものですし、ただ実行するのでなく、計画を練り上げて、戦略を立てられて、しっかりと種を蒔き、回収できる人ほど成功するものなのです。
一生懸命死ぬ気で物事に取り組めば必ず成功するかといえば、そんなことはありません。
ただ、そういうことも長い人生のうちには何度かあるかもしれませんが、努力をし過ぎて後を引くまでダメージが残るのは賢明とは言えませんので、次のようなことに配慮できるとよいでしょう。
例えば、休息、回復、見直しといった時間もしっかりと計画に含めて、「やる時はやり、休む時は休む」ということを上手に行う習慣を身に付けることです。
例えば、「何らかの物事や動作を覚える」という上での計画なら、反復回数やその実行周期、再現度なども計画に含めることです。
結局、目的を持ち、計画を立て、進捗を把握し、きちんと振り返れて改善できるようにできているか、それに見合った行動ができているか、というところに戻ってくることになります。
成果の出方も、取り組み方も、段取りの仕方も、自分が生きる業界や、従事する職業や、向き合う物事によって様々ありますが、「うまくいくにはどのような努力をすべきか、努力の仕方は合っているのか」を何とかするには、こうした土台となることが理解できていないと気づけませんから、分かるまで何度でも実行に移して覚えていくしかありません。