連合の法則、知識がある、知識がない、知っている、知らない、ということによって起こる影響

 
1. 連合の法則について
1つでも良い面や悪い面が見つかると、他の部分も全て同じイメージが働き、
本来はまったく別のものでも結びつけて見てしまう、という心理法則。
 
似たようなものに、「ハロー効果(Halo=後光)」と言われ、神仏や天使にさす後光の様から、
「際立った特徴を持つ人への評価は、その特徴の影響を受けて歪む」という、
認知バイアスの現象を指すものがある。
 
日本の諺ならば、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」、「痘痕も靨(あばたもえくぼ)」などが近い。
 
 
2. 知識の有無による影響
人は相手が「知らない」時に、相手をものすごく見くびる。
そして同時に、「そんなことも知らないの?」と言われた時に、
その心理を無意識に感じているからこそ、恐ろしく強い劣等感を抱く。
現代において、「知らないの?」は、最大級に強烈な攻撃と言える。
 
自分が知っていて、相手が知らない時は、その相手にもよるが、
「そんなことも知らないの?」などと、相手を軽く扱う発言は慎み、
またその相手が「知りたがっている」という場合は、親切に教えてあげた方がよい。
人に教えることで、その知識に対してだけではないメリットが生まれるからだ。
 
 ①自分の知識をあらためて整理できる。
 ②教え方、説明の仕方が上手になる。
 ③新たな発見や、その知識がさらに深まる機会が得られる。
 ④教えることが成功すると、相手との信頼関係が築ける。
 ➄信頼関係が築けた相手の場合、自分が困っているときに力になってくれることがある。
 
しかし、自分が知らなくて、相手が知っている時は、
 
 ・「これを知らないとなると、この人の知的レベルは相当低いのでは?」
 ・「この程度のことを知らないということは、何をやらせてもダメなのでは?」
 
と、評価をものすごく下げられる程度のことは、覚悟しておくこと。
 
 
3. その知識がなかった時の対応策
最大の防御は「教えて」である。
間違っても「知らない」で話しを終わりにしないこと。
そうすると、自分で自分のテンションを下げることにつながる。
 
 
①通常時の対応
「聞いたことはあるけど、詳しくは知らないから教えて欲しい。」と素直に伝えること。
「聞いたことはある」には、その瞬間聞いたので、ウソではないし、
「詳しくは知らない」のも、間違っていない。
そして、教えてもらったら、その相手には必ずお礼を言うこと。
 
その後は、自分でも少し調べてみたり、興味を持ったり、
知識を深めたり広げたりしてみるとよい。
あなたに親切に接してくれたその相手も喜ぶだろうし、
あなたの持つ学ぶことに正直な姿勢も伝わるだろう。
 
時には、相手にお礼を言ったくらいでは済まないくらいに、
人生を変えるきっかけになることだってある。
教える、教えてもらうは、そうすることで、
知識も経験も人間関係もつながっていくのがよいのだ。
 
 
②こちらが普通に質問しただけなのに、相手がひどいやり方をしてきた時の対応
人が正直に質問しているのに、それでも冷たくしたり、見下してくるのであれば、
そもそもなぜ話しかけてきたのだろうか、という大きな疑問も残るが...。
 
そのような人達の近くにいたら、周りからも「あの人も同じ人」と思われかねない。
人とは、仲良くしている集団と同じように変化していきやすいものなのである。
だから、後のあなたに影響しないように、イイ感じの雰囲気はしっかりと残しつつ、
心の中での距離は、盛大に全力で取り始めること。
 
 (1)「常識だよ」と、ネチネチ言い回された等
  相手の方が「知らない」という状態になるまで掘り下げ続け、じわじわと締め上げていくこと。
 
  ・「この場合は?」
  ・「この時は?」
  ・「どのぐらいあるの?」
  ・「それ以外にはどんなのがあるの?」など。
 
 (2)「自分で調べれば?」と放り出された等
  「分かった、ありがとう。」で切って終わらないこと。
  「何に載ってる?」「誰に聞けば分かるもの?」「どうやって調べた?」などは聞いておくこと。
  相手はその程度のことをしてまで、あなたよりも優位に立ちたいだけなのだ。
  そして、あなた成果や実績を何も生み出さず停滞し続けることで、喜びを感じたいのだ。
 
  もし、どう質問しても答えてくれないのであれば、相手も大したことは知らない。
  もし、質問した結果、さらに自分を貶めようとしたら、反撃するのも切り捨てるのも自由だ。
 
  しかし、もし相手に、あなたに対しての真剣さがあった場合には、
  あなたは自分の情報収集能力や調査能力を見つめ直す時であろう。
 
 (3)「〇〇はいいけど××はどうなの?」などと足を引っ張られた等
  「詳しくは知らないので、よかったら今教えていただけませんか?」と言うこと。
  「知識があるかないか」という話題よりも、
  「そこから前に進む気があるかないか」にすり替えるだけで、立場は一瞬で逆転できる。
 
  以下のようなときに使ってみるとよい。
 
   ・「あなたの話はいいけど、周りの人は全員知っているの?」
   ・「企画はいいけど、予算は知っているの?」
   ・「あなたの調べた結果はいいけど、他のすべての会社(団体など)ではどうなっているの?」
 
  相手が知っている状態ならば、話さざるを得なくなるので、攻守を逆転できる。
  相手が知らない状態ならば、重要性を問い直したり共通課題にするなど、やはり攻守を逆転できる。
 
  気を付けなければならないことは、圧力に負けて、うっかり「知っている」とか「やる」と言ってしまうこと。
  そうすると、下手をすると悪魔の証明をさせられ、延々と無意味なことを続けさせられかねないし、
  「あなたがやるって言ったんでしょ!」と、無責任の烙印を押され、いいように扱われ続けることになる。
 
 
③その他の時の対応
時に、信じられない言葉を放ってくる人もいる。
 
 ・「教えてやるから、こちらの言うことを聞け」
 ・「教えてやるから、出すものを出せ」
 ・「教えてやるから、払うものを払え」
 ・「教える代わりにあの人ではなく、私たちのグループにも入って欲しい」
 ・「私が教えるなら厳しくやるけど、分かるよね?」
 
こんな人に出会ってしまったら、早急に話を切り上げ、
距離を置いて、常に警戒しておくべきである。
 
自分の知りたかったことなんてとりあえず置いておき、
家に帰って一旦落ち着いてから調べるなり、
日をあらためて他の人に聞くなりすればがよい。
 
このような人にいい顔をしたために弱みでも握られようものなら、
その後の人生に大きく負の影響が出てしまうだろう。
ギャンブルやDVなどによくある依存心理(次は大丈夫、本当はいい人かも、当たるかも、など)
も悪用されかねない。