「一生懸命」を上手に積み上げるには

 
大枠としては、自分に降って来たチャンスを逃さず確実に活かすために、
普段から自分のやりたい事、できるようになりたい事、身に付けたい技術などを、
できる限り明確に書き出しておくことが大切です。
 
そして、これらをそらで言えるくらいでなければなりません。
そらで言えるとは、諳(そら)んじる、
つまり、何も見ずに言えるくらいそのことを覚えている、ということです。
 
また、自分は本当はできるのに周りのペースに合わせてばかりでは、
自分のために必要な成果や結果を得ることはできません。
集団行動を乱すという意味ではなく、自分が一段高く抜きん出る、ということです。
 
 
 
時にはやりたい事と一見関係ないような雑用を頼まれることもありますが、
それさえ自分の人生や目標に活かそうと、一生懸命やることです。
ただし、意地悪やいじめのような故意のものは、当然別です。
 
この時に、その雑用が楽しくなったり、好きになったりすることがあります。
そこに新しい発見をしたり、打ち込めるものを見出すこともあるにはありますが、
自分のすべきことをそらで言えない人の多くは、定まっていないことが理由で、
自分が進むはずの道から大きく曲がっていってしまうことになるでしょう。
 
でも、こういったことは多くの人が経験する、もしくはしていることなので、
恥ずかしがることはありません。
これから少しずつでも身に付けていけば良いのです。
 
 
 
●「一生懸命」を活かすために大切なこと
①今なぜそのことに一生懸命なのかを言えること
 ・強くなりたくてやっているのですか?
 ・上手くなりたくてやっているのですか?
 ・その事で一番になりたくてやっているのですか?
 
②何を成し遂げたいのかを言えること
 ・集団としての目標は〇〇大会のようですが、あなた自身の目標は何ですか?
 ・〇〇月の発表会で××の曲を演奏できるようになりたいのですか?
 ・長く継続して、生涯楽しんだり一緒にやる仲間を増やしたいのですか?
 
③これからどう行動していくのか言えること
 ・自分の目標から逆算して計画を立て、今何が出来そうですか?
 ・そもそも初めて体験する時にやりたかったことは、出来て(近づいて)いますか? 
 ・一人でやる点と、誰かの協力が必要な点は、切り分けられていますか?
 
 
 
一生懸命やっているのに、
 ・なぜか自分の成果に結びつかない
 ・なぜかメンバーから外れたり交代させられてしまう
 ・なぜか最初に思っていたことと違うと感じることが増えてきた
 
というような人は、上の①~③の行動が不足していることが理由かもしれません。
一生懸命やることは大切ですが、このような三つの点を真剣に考えて自分と向き合い、
実際に行動に移して達成していく、ということもまた大切なのです。
 
ただし、こういったことを考えすぎて、自分で自分をがんじがらめにする必要はありません。
まず自分を振り返るとか、まず自分でやれることや改善できることがある、というような、
主観的に見ても客観的に見ても、どちらにおいても大切なことを、
自分で気づいたり、知ったり、分かることが必要なのです。
 
そうでなければ、あなたの大切な「一生懸命」は、空回りすることになるでしょう。
 
全部自分で、全部一人だけで何とかすることを一生懸命というのではありません。
本当に大切な物事に取り組み全力を注げているのが一生懸命なのです。
その上で、行き詰まってしまったら、今日一日くらいは気楽にやってもよいのです。
誰かに質問したり、助けや協力を求めることも、もちろんあってよいのです。
 
せっかく一生懸命になれることに出会えたのですから、
自分の中に起きていることを分かることも、俯瞰して自分を外から見て分かることも、
どちらもできるようになって、一生懸命になれる自分を、自分で支えてあげましょう。