精神的に強いか弱いかで、人生は大違いである。
昨今の世の中は、配慮、配慮とうるさくなったようにも見えるが、そんな中でも自分個人の人生は自分で何とかしていかなければならない。
少しでも活き活きとした人生にしていくためには、次のようなことを振り返ってみて、強くてしなやかなメンタルを養っていくとよいだろう。
①回避行動を減らす
これは、目先のストレスを避ける行動のことである。
例えば、苦手な人から挨拶されても返事もしない、上司が怖そうだから相談しない、気を使うのが嫌だから仲間内の会合には参加しない、などである。
何でもかんでもストレスを避けていると、そう長くないうちにそのことが本当に苦手になってしまう。
そして、精神的なハードルが高くなっていき、今までできていた簡単なことすらできなくなっていき、自分で自分の評価を下げていき、自信を喪失してしまうのである。
人は自信を失うと、人と話すことすらストレスになる。
何気ない日常の中にすら何とも言えない怖さを感じていき、新たな回避行動を呼び起こして重ねていってしまうのだ。
最初のきっかけは「めんどくさいから」とか「恥ずかしいから」という、ほんの小さな行動だったのに。
早いうちにこれを改善するには、コミュニケーションの量を増やしていくことである。
どんなに小さなことでもよいからコミュニケーション量を増やしていくと、自分に対する自信が高まり、行動力も上がっていくのである。
②腸内環境を改善する
腸内細菌が乱れると自律神経も乱れると言われている。
また、腸内細菌がセロトニン、ドーパミン、ビタミン類、GABA、短鎖脂肪酸などの物質が作られるうちの多くを作っているとも言われている。
対策としては次のようなことができるだろう。
・発酵食品を取って 腸内細菌の種類を増やす
・野菜を取って腸内細菌の餌となる食物繊維を補給する
・プロバイオティクスを取って腸内細菌の数を増やす
なお、プロバイオティクスとは、人間の健康に好影響を与える生きた微生物のことで、ビフィズス菌やガセリ菌などが有名である。
さらに、バランスの良い食事を摂り、睡眠もしっかりとっていくと、健康面でもかなりプラスに働いてくる。
「今日も健康で元気」というだけで体にも心にも活力が漲るので、必然的にメンタルが低下している状態も解消されていくだろう。
③声量を少し上げる
人は、声が小さいだけで頼りなく見えてしまうものである。
声量が大きすぎると怖がられたり嫌われたりしてしまうということもあるが、そこまで極端に変えるのではなく、今までよりもほんの少しだけ上げてみることをお勧めする。
スピーカーなどのように全体のボリュームを大きくするイメージでも良いのだが、大きな声を出すにも意外と体力がいるものなので、不慣れな人はすぐに疲れてしまうだろう。
だから、まず第1ステップとして、次の3つくらいをイメージしておくとよいだろう。
(1)できるだけはっきり話す
例えば、語頭、語尾、発音、主語の有無や省略、同音異義語などは特に注意する。
また、文脈としてもはっきりするように、主旨、接続詞、経緯、語彙などに注意する。
(2)よく通る声をイメージして話す
例えば、5m先にいる相手に話すイメージで、1m先にいる相手に話してみる。
腹式呼吸や喉を開くなどの技術を知る。
よく通る声をしている人を見つけて参考にする。
(3)相手の顔に向けて話す
相手の目を見ると緊張するなら、例えば鼻、眉間、全体的に顔を見る、などの手もある。
まず、相手の耳は相手の頭部に付いていることをよく思い出すこと。
うつむいた状態で話しても声は前方に飛ばない。
本当にくだらないことだが、あなたがこの先どんなに正しい話をしても、どんなに整理して筋道を立てて話しても、主観的にも客観的にもどんなに相手より優位であっても正義があっても、「声が小さい」という理由一つで、相手は全てを覆せるのだ。
しかも、「だから○○」という理由までつけて、あなたが頼りないとか、ウジウジしてるとか、物事を任せてよいのか不安だとか、ありとあらゆる物事や人格まで否定して、あなたのことをダメ人間としてこき下ろせるようになるのだ。
だから、大きな声ではっきりと話すためには他にもいくつもの要素もあるが、まずは上記に上げた3点を心に留めておくとよいだろう。
もちろん、どんな相手だって急にわざと大きな声で話したら嫌がるものだが、この3点であれば相手にとってもそれほど大きな変化ではないから、心配せずに取り組んでみるとよい。
そして、続けているうちに、人というものは「何で人の話聞いてねえんだよ(呆れ)」とか、「今までの話、理解してますか?(心配)」と思うくらいのレベルで、他人の話を聞いていないし理解もしていない人が多いということに気づくだろう。
それと同時に、自分自身に対しても、「短く力強いメッセージ」とか、「要点や文脈を明確にする」とか、「そもそも話を聴かせる体勢にする」というような課題に気づいていかれるようになることだろう。
こうした中でも、自分のことにも相手のことにも理解を深めたり広げたりしていき、はっきり堂々と意思疎通をする力を養っていくことが大切である。
少なくとも、この項目は少し気にしてやってみるだけで、大きな手応えを得られるだろう。
何にしても、「声の小さい奴はナメられ続ける」か、「普通の人間として居られる/扱われる」かの、人生の二択と言っても過言ではないだろう。