一昔前頃は、「集中力は有限」だと考えられていたが、現在では、「目の前のことに対するモチベーションがなくなってやる気がなくなってしまうから、脳でも集中ができなくなってしまう」ということが分かり始めているそうだ。
脳のスタミナとしてはまだまだやれるのに、「飽きてしまったので集中できなくなった。だからやりたくなくなった。」というような、全く駄々っ子のようなことが原因なのである。
確かに、同じことをやっていると目の前のことに対するモチベーションは下がるものだ。
しかし、目の前のことをしている時は、それ以外のことに対するモチベーションは上がったり回復したりしている。
だから、集中している時間を延ばしたいとか一日を通して集中したいという時は、作業をいくつかのタスクに分けて、それらのタスクを切り替えてながらやっていくことが重要である。
例えば勉強で、国語ばかりやることで脳が飽きて集中できなくなってしまうとしたら、制限時間を設けるとよい。
国語を25分やったら数学を25分、その次に英語を25分というように区切ってしまうのである。
次々にやることを変えていくことで、モチベーションがずっと高いまま維持されるというわけである。
また、先程の話で言えば、国語を25分やって数学に切り替わった時は、数学をやっている間に国語に対するモチベーションが回復していく。
これを利用すれば、3つから4つのタスクに分け、それを25分ずつ回し続けていくと、高い集中力を維持したまま作業を続けることができるようになる。
ただし、似通った内容のタスクばかりにしてしまうと、飽きやすくなるので注意することだ。
例えば、英単語の暗記の後に数学の公式を暗記するとしたら、暗記ものばかりなので飽きやすくなる。
脳の同じ場所ばかり使ったり刺激していると、当然疲れや飽きが来やすくなってしまうので、様々な部位を上手に使い分けられるようにしていくとよい。
もし実践してみるのであれば、タイマーを使って、25分やったら5分休憩するなどのサイクルで進めていくとよいだろう。
作業を続けるなら疲労はどうしても付き物になるので、疲労の蓄積によってドーパミンの分泌を妨げてしまうことに繋がるからである。
だから、はじめから作業の合間に小休憩を入れ込んでおくとよいのだ。
また、午後から夕方にかけて疲れてしまうというのであれば、午前中は25分刻みとしても、午後は疲労の度合いを見ながら20分刻み、15分刻みというようにしていくのもよいだろう。
タイマーを使えば、最初に「よーいスタート!」と思ってやれば初頭効果で集中できるし、後半もタイマーを見ながら残り時間があと5分あと3分とやっていけば、「もうすぐ終わり」という終末効果を利用して集中できる。
そうすれば、集中していられる時間も長くなり、集中している深さも得られるので、集中の量と質のどちらも向上させることができる。
人間の能力というものは、想像以上に凄いと思うこともあれば、子供の我儘かと思うような一面もあったりする。
しかし、脳の特性を理解して自分の脳も上手に誘導してあげることができれば、1つでも2つでも多くのことや新しいことに挑戦することができるようになるだろう。