とりあえずやめるだけで気持ちが楽になること


①他人の幸せを覗き見るのをやめる
 SNSや動画などで他人の華やかな生活を見るのは、自分が惨めになる最も簡単で確実な方法です。
 なぜなら、人間の脳には「同じものであっても、周りと比べて小さいものはより小さく見せ、大きいものはより大きく見せる」という性質があるためです。
 また、「小さい、大きい」は「悪い、良い」にも置き換えて考えることもできます。

 ですから、セレブの豪邸や豪華ランチを見たり、青い空と海に囲まれた華やかなバカンスばかりを見ていたら、自分がどんなに大好きなカップラーメンを食べていても、良い事があった時にちょっと高いコンビニのスイーツをご褒美として買ったとしても、他人の華やかな生活と比較して自分の幸せが小さく感じてしまうのです。
 これは別に食べ物だけではなく、家族や友人や趣味や宝物といったものであっても、その価値を忘れて「取るに足らないもの」として捉えるようになってしまいます。

 そうすると、「不足感」が出てきます。
 今の自分に幸せを感じられなくなると、視野が狭まったり、だらしなくなったり、色々なことが面倒くさくなったりして、自信もなくなり不安やストレスが増えていくことになります。

 まず知っておいて欲しいのは、お金持ちであれ有名人であれ、SNSに自分の華やかな生活をアップしている人のほとんどは、その人の生活の華やかな部分だけを切り取ってネットにあげているだけだということです(中にはそうでない人もいるかもしれませんが)。
 それが解ったら、今度は自分自身の「ただSNSを閲覧するだけ」という時間の過ごし方をなくすもしくは減らすことで、自分の人生を優先させて、無駄に誰かに使っていた時間を取り戻していくのが良いでしょう。

 

②自分の心を粗末に扱うのをやめる
 人間は体と心でできていますが、体についてはお風呂や歯磨きなどで清潔にしたり、筋トレをしたり病院に行って健康を保っていますが、心の方はどうでしょうか。
 自分の心を大切に扱わないと、幸せになるように生きているのに、その足を引っ張ってしまう原因となります。

 心を大切に扱っていないと、例えば会社で上司に怒られた時でも自分で自分に追い打ちをかけて、「自分は何て才能がないんだ」とさらに落ち込ませることになってしまうでしょう。
 自分の傷口に塩を塗るような行為をしていたら、幸せになるどころかそのための成長もできませんし、気づきも得ることすらできません。
 「自分の味方は最終的には自分だけだ」ということをよく心得て、自分で自分を下げるようなことをしたり言いったりしないようにすることです。

 こんなことを言ったらなんですが、その怒った上司だってその人自身にはできないこともあるし、もっと上司の人から怒られることもあるし、家族に冷たくされてストレスが溜まってしまうこともあるかもしれません。
 であればこっちだって、「その仕事にまだ慣れてないだけだから、早く技術を身につけよう」とか、「自分はこれから良くなっていく人なのだから、ふてくされずに誠実にやろう」とか、「得意な仕事ではちゃんと成果が出ているのだから、ついでにこの仕事もできるようになっちゃおう」などと、自分の心が嬉しくなったり前向きになるように、自分で自分に働きかけていくことが大切です。

 そして家に帰ったら、「今日も愚痴を言わずによく頑張った」とか、「嫌なことがあっても明るく振る舞えてよかった」などと、自分で自分にきちんと労いの言葉をかけておくことです。
 そうすることで安心してよく眠ることもでき、翌朝には「今日も頑張るぞ」と活力を持って一日を始めることができるでしょう。

 それを、寝る前から翌日までネガティブな気持ちを引き摺り続けていると、やがて本当に眠れなくなったり、会社に行きたくないと憂鬱になったり、暴飲暴食したり、お酒に頼ったり、喜怒哀楽が表現しづらくなったりしてきます。
 それは心が悲鳴を上げているサインですから、ほったらかしにしていると心が病んで医者に相談するとか、長期休暇を取るとか、仕事を辞めるはめになるなどということになりかねません。
 自分の心を大切に扱うことを怠ると、今の自分でできる力が伸びていくことも、その先にある幸せを得ることも、遠のいてしまうことになります。

 

③猫背や悪い姿勢を止める
 姿勢を正すことで魅力も上がり、気持ちも前向きになり、自信もやる気も集中力も高まり、ストレスにも強くなります。
 多少疲れていたって、背筋を伸ばして胸を張ることくらいはすぐにできるはずです。
 人それぞれに骨格や持病などがありますからあまり強くは言えませんが、そもそも猫背だと背筋を伸ばした姿勢よりも肺を圧迫してしまうので呼吸が浅くなり、普段からより低酸素の状態で活動していることになっていると言えるでしょう。

 体の中に新鮮な酸素が不足していると、頭が回らなかったり、疲れやすくなったり、なんとなく気分や体調が重苦しくなったりするものです。
 そのような状態で「私は今日も元気で幸せに生きています」というのはなかなか難しいでしょう。
 猫背をやめるだけで元気で幸せになるのだったら、やらないに越したことはありません。

 「幸せになるために、とりあえず何かやろう」と思うことはよくありますが、その反対に「やめてみる」ということにも目を向けて対処していくことも大切です。