自信がなくて行動できない時の自信の取り戻し方


①自分を褒める
 「どうせ自分なんて」というように、「自分を好きじゃない」とか「自分の価値が低い」と感じていると、それが原因となり、自分に自信を持つことなど絶対にできません。
 だからまずは、大切な親友を褒めたり励ましたりするように、自分のことも褒めたり励ましたりすることです。
 些細なことでもいいから、できるだけたくさん褒めるようにするのです。

 心理学では「セルフコンパッション(自分への思いやり)」と言うそうですが、自分のことを一段高い位置から俯瞰して見る自分を持てるようになってくると、自分についての感じ方もガラッと変わってきます。
 いつも不安だ心配だと言っているよりも、できてもできなくても、良くても悪くても、そのままの自分やありのままの自分を好きになれる方がよほど良いのです。
 本当に自信のある人は、実は「不完全で弱いままの自分を受け入れることができる人」だとも言えるでしょう。

 

②「悪いけど」と自分を優先させる
 誰にでも、子供の頃にわんぱくをして、相手を不機嫌にさせたり怒らせたりした経験が一つくらいあるものでしょうが、その後「相手を不機嫌にさせることが怖い」と感じるようになってしまうと、それが原因で自信がなくなったりします。
 一般的には、相手を不機嫌にさせる経験が多かった人は、相手が不機嫌になることに慣れていることが多いので、大人になると強いです。
 そういう人は怒鳴られたくらいじゃへこたれないし、意見の違いを恐れず自己主張できるし、素の自分でいられるから人間関係でも疲れることは少ないでしょう。

 その反対に、たくさん褒められて育った人は、もしかしたら相手が不機嫌になることに慣れていないこともあるかもしれません。
 怒られたことをいつまでも引きずったり、断れなかったり顔色を伺ってばかりいて、いつも素の自分でいられないから自信がなかったり臆病だったりします。
 でも、もう大人になったのですから「悪いから、申し訳ないから」と相手の気持ちばかりを優先せず、これからは「悪いけど」と自分の気持ちを優先させても良いのです。

 例えば、「悪いけど、その日は予定があるので欠席します」、「忙しいところ悪いのですが」、「悪いけど、手伝ってくれる?」というくらいなら、ほとんどの場合は相手が不機嫌になることもないでしょう。
 これまで長い間、相手に気を使って生きてきたのですから、相手の中にも不機嫌になるどころか親切に教えてくれたり、快く引き受けてくれる人だって現れることでしょう。

 中にはそう言われたことで不機嫌になってしまう人もいるかもしれませんが、「人を不機嫌させるいい練習になった」くらいに考えて、図太く生きていきましょう。
 人のためや社会のために生きることは大切ですが、ものの程度ということもありますし、自分の人生が他人のいいようにされてしまうのは良くありませんし、自分自身が壊れてしまってからでは遅いのです。
 他人に対して過剰に気を使うことがなくなれば、今よりももっと自由に清々しく生きていくことができるでしょう。

 

③自分から話しかけるようにし、少しずつ気持ちを慣らしていく
 「人からどう思われるかが怖い、気になる」ということが原因で行動ができないというのは結構よくあることかもしれませんが、それも自信を無くす原因の一つとなります。
 誰にも何にも言われていないのに、買いたいものや食べたいものを選ばなかったり、新しい挑戦をしなかったり、大事な時に言葉が出てこなかったりして、また今日も絶好の機会を逃すことになります。
 「人からどう思われるか」ばかりが気になる人というのは、ちょっと嫌な言い方かもしれませんが、見方を変えれば「自意識過剰」とも言えます。

 これを何とかしたい時は、「少しずつ鳴らしていく」と良いでしょう。
 先ほどの②の「悪いけど」というのも、自分の気持ちを優先させることと人を不機嫌にさせることの両方に少しずつ慣れていくという意味では同様と言えるでしょう。

 特に、「人からどう思われるか」に少しずつ慣れるには、知らない人に話しかけるようにしていくとよいです。
 手始めにできるところでは、近所の人に笑顔で挨拶をしたりしながら、慣れてきたら会社の清掃員の人に「いつもありがとうございます」と声掛けしたり、飲食店の人に「何かおすすめはありますか?」と聞くなど、やれることを少しずつ広げていくと良いでしょう。
 時には迷惑そうにする人や、ぶっきらぼうな対応をする人もいますが、それも人を不機嫌にさせる いい練習と捉えて図太い自分を育てる練習にしていくと良いでしょう。

 

 筆者は音楽指導をしていることもあり、地方に行くことがありますが、その時は(もちろん下調べもしますが)現地で一人で黙ってスマホで延々と調べるよりも、その土地の人に話しかけて教えてもらった方が早いことがほとんどでした。
 そういう経験をすれば、周りの目が気にならなくなるまでには大した時間はかかりませんし、思っていた以上に温かく接してくれる方が多いことも分かりました。
 さらには、行く先々で感謝する機会が増えたり、時間が経ってあらためて思い返した時に「あの時は少し恥ずかしい思いをしたけど、今思い返してみれば感謝しかないよな」と、感謝に変わる機会も増えました。

 思い起こせば、渡米していた頃は言葉も文化も何もかも違うので、さすがにいろいろ聞かないと分からないし、周りに日本人なんて自分一人だし、恥だのプライドだの言っていられませんでしたので、そういう環境を経験するということも、「周りの目を気にして何もできない」という状態を改善していく良い練習になったと、改めて思い返してみました。

 後は、心も体も健康でいられるよう、普段からぐっすり眠って体調管理をしておくのが良いかと思います。