勇気を出せと言われても出ないときの対処


 勇気を作るためには、より良い人間関係を作り、それを維持していくことが大切です。

 自分の人生を変えられないと悩んでいるとしたら、勇気が足りないことが原因になっているのかもしれません。
 何かでうまくいった人が「勇気を出せ。自分に自信を持って。それで変わる。」と言っているのはよく聞きますが、勇気は「ない」ところから湧いてくることはありません。
 むしろ勇気は、自分が失敗したりおかしな行動を取ってしまったとしても助けてくれる人がいる、頑張りを認めてくれる人がいる、という存在がいるという状況でしか発揮されないでしょう。

 もし自分の周りに敵しかいなくて、失敗を認めてくれる人も誰もいないとしたら、「失敗なんてしたくない」と思うはずです。
 現実でもネットの上でも、ちょっと失敗しただけで周りに叩かれるとか、出世できなくなるとか思わされることはよくあることでしょうが、しかしながら、当たり前のことですが人は失敗することでしか成長できないのです。
 ですから、自分の失敗について「大丈夫だよ、元気出せよ。」とか、「何かあればサポートできることならするよ。」とか、「そんなことくらいじゃ嫌いにならないよ。」などと言ってくれる人を自分の周りにいかに作れるかどうかで、勇気をもって挑戦できるかどうかが決まるのです。

 勇気を作るためには、自分の性格にしても何にしても、変に自分のせいにしないことです。
 それよりも、「より良い人間関係を作っていくこと」の方が大切なのです。
 自分の失敗を認めてくれる人と深い関係を築いたり、自分が誰かの失敗を認めてあげられるようになれるようにする方が良いのです。

 これからは、もし誰かが失敗しても、「自分はそれ得意だから少し手伝うよ」とか、「自分も似たような失敗をしたことがあるから」と言って、その人をサポートしてあげられる余裕を持てる自分を作っていく方が良いでしょう。
 そうすることが押し売りのようになってしまうとか、相手のためにならないという場合もありますが、そこは状況によって判断するとして、そのように自分を作っていけば、基本的には自分と親しくしている相手なら、その人も自分にサポートしてくれるようになっていくものです。
 自分の周りの人や社会を見渡してみて、「自分は周りの人に助けられている」という感覚を持っている人ほど、そうでない人よりもより健康的により精神的な充実を得られることに繋がりますし、その方が勇気を作り出す土台としても育っていくのです。

 さて、人の幸せを決めるのは、最終的には良い人間関係が長く続くことであり、地位や権力やお金の有無ではありません。
 もちろん、自分の過去の実績や成し遂げたことを振り返ってみて、自分で自分を勇気づけることもできます。
 しかし、まず自分の失敗を認めることができない人は完璧主義の考えに陥りやすいこともありますから、「今」を考えてここから先に進んで行こうとしているならば、やはりより良い人間関係は勇気を作り出すためには非常に重要なものとなります。

 残念ながら人は完璧にはなれませんから、自由自在に勇気を身につけることも湧き出させることもできません。
 また、人間関係も「たくさん人間関係があるから幸せになれる」とか、「一回助け合ったから友達だ」というように、量や回数で決まるわけでもありません。
 人間関係は「深める」ことの方が大切なのです。

 そして勇気を作り出すためには、「何かあった時にはこの人だけは助けてくれる(助ける)」という深い人間関係の繋がりを持ち、それを維持していくということが最も大切なのです。