やる気やモチベーションにどのくらい頼るのか


 やる気やモチベーションにばかり頼って行動をしていると、なかなか結果が振るわない時が出てくることになります。
 それは、人間の感情は長続きしないようにできているからです。
 ふと冷静に考えてみて、何かでテンションが上がった時にそのまま上りっぱなしということはあったでしょうか。

 人間の感情というのは、上がったとしても下がったとしても、元のニュートラルな状態に戻るようにできています。
 大昔の話を例に出しますが、人間が獲物を捉えた喜んだ時、その後もずっとテンションが上りっぱなしでいると、その人間の方が別の凶暴な動物に気付かれて襲われてしまうのリスクが上がります。
 感情に囚われて我を忘れてしまうことにならないよう、テンションが上がろうが下がろうがやるべきことをこなして生きていくために、やる気やモチベーションに頼らずにある一定の水準までは出来るようにしておく必要があるのです。

 感情の他にも一時の物事の良し悪しに頼るのもあまり良くないでしょう。
 宝くじで1等が当たったとしてテンションが上がり、「これで人生良くなった」と思い込むのではなく、「今はアップダウンで言うとアップの時だから、下がった時のことも考えよう」とならないから今までの生活を壊してしまうのです。

 

 人間が生きるために頼りにするべきは「続くもの」であり、(一時の収入などであれば問題はありませんが)続かないものは続くものに変えていかなければなりません。
 感情的な性格の人だって、感情がアップした時の印象が強いイメージがありますが、それだけでなくダウンする時も激しいのですから、感情的な性格の人ほど感情に頼らない対策が必要になります。
 やる気に任せて「エイッ」とやってしまいたいができない理由の一つとしては、そのことが感情に関係なく「続くかたち」になっていないからと言えるでしょう。

 また、「精神的な余裕がなくなってきてやる気やモチベーションがない」と言っている人は、客観的に見て結構残念なことを言っています。
 机の上を整理整頓せずに散らかしていつも探し物ばかりしている人に、あなたが親切で「机の上を整理整頓した方が良いですよ」とアドバイスしてあげたら、「今ちょっと忙しくてやる気がなくて」と返事をされるようなものです。
 誰が見ても「いやいや、片付けなよ」と思うでしょうが、それと同じ残念なことを自分がしてしまっているのです。

 やる気やモチベーションは確かに大切なものではありますが、いつもそれにばかり頼るわけにもいきません。
 余裕を作るために一旦立ち止まったり少し遠回りすることになったとしても、やるべきことをやるためにはそれは無駄な行動ではないのです。