強いストレスがあった時でも上手に対処する生き方


①自分を認める
 「今のままの自分で良い」と、そう言うだけでも良いので今の自分を認めることです。
 強いストレスを感じた時でも、基本的には「今の自分でいい」、「命に関わるようなことではないので大したことない」、「食事も睡眠もとれているから大丈夫」と思う生き方の方が、幸せに生きたり、メンタルが良好な状態を保ったまま物事を乗り越えるためには重要です。

 誰でも、色々なしがらみやら過去の経験を持っていて、それらが足枷となって「今の自分で大丈夫」ということさえ言わせないように足を引っ張る時があるものです。
 しかし、その状況を一歩乗り越えられると明らかな前進が始まります。

 心理学や精神医学などでは自己肯定感を高めるとよいという流れになるのでしょうが、自己肯定感を高めたいと言ったり思ったりそうしようとしている時点で、「今の時点の自己肯定感は既に低い状態にある」ということです。
 だからこそ、そのことに早めに気づき、「今のままの自分を認めてあげる」ことが大切です。
 そのまま放っておけば、自分を否定したくなったり、逃げ出したくなったり、マイナスの感情に染まってしまうことになりかねないのです。

 

②自分を下げない
 たまには愚痴を言うという程度ならよいのでしょうが、いつも自分で自分のことを下げたり、自分の事を否定したり、自分を認めない言葉は絶対に言わないようにすることです。
 自己否定感を持ったまま何かに取り組んでも、全てをマイナスにするだけでしょう。

 人の脳は、少し難しいことやギリギリ出来そうなことをしている時に最も能力を発揮し、失敗すると分かっていることには100%の力を発揮できないことが分かってきています。
 身近な例を挙げるならば、「自分は頭が悪い」と思って勉強をしても結果は出ないし、行動するより先に不安や心配で頭を埋め尽くしていれば行動に移せないし、運が悪いと思っていると良い事があってもそれを感じる幸福感が働かない、というようなことになります。

 言葉は考えを作りますから、本を読むでも話を聞くでも良いのでそもそもより良い言葉を知ったり触れたりする機会を持つようにしておき、強いストレスがあって自分が落ち込んだり下がったりしてしまうような時は、より明るい、より前向きな、より希望の持てる言葉を積極的に使うようにして、自分で自分を絶対に下げないことです。

 現在の心理学ではポジティブな言葉の重要性について、「ポジティブな言葉はネガティブの3倍以上言うのが良い」とされていることから、まずは自分の言葉遣いを、ポジティブが3倍になるように変えていくとよいでしょう。

 

③ストレスを躱す
 ストレスに強くなりたいと思えば思うほど、ストレスは増えていくものです。
 今はストレスを躱す能力(レジリエンス)を高めることについても多く言われています。

 要は、闘牛士やボクサーのように上手に躱す考え方や方法を知って身に付ければ、より楽に生きることができるということです。
 ストレスに対抗するために強靭な体と心を鍛え続けて向き合い続ける、という選択だけに固執する必要はない、ということです。

 例えば、「そもそもストレスが溜まりそうな場所や人からは距離を置く」とか、「よく起こるトラブルやシステムエラーなどの初期対応を三つくらい考えておく」など、事前に対策できそうなことがあれば、深入りしない程度に用意しておけばよいのです。
 また、自分がどんなことにストレスを感じるのかを書き出してみれば、あらためて自分を知ることもできるし、その自分を大切に扱うことにも繋がるのです。

 メンタルが不調になる人、なりそうな人、メンタルが弱いと思っている人は、優しいし、誠実だし、真面目に一生懸命取り組む人が多いです。
 しかしもう一方で別の見方や言い方をすれば、リスク管理が甘いとか、計画性が緩いとか、目標や目的を忘れやすいとか、絶対に押さえなければならない所を敵にあっさりと譲ってしまったり、肝心なところが曖昧なままだったり、漏れや抜けが多かったりすることもあるのではないでしょうか。
 また、あなたは当てはまらないかもしれませんが、「これくらい気付かれないでしょ」とか「どうせ誰も見ていないなら」などとそれ相応の良くない考え方を持っている人も、中にはいるのかもしれません。

 何であれ失敗はつきものですし、未知のことに対応しなければならないことは山のようにあります。
 しかし、ある程度なら事前に学習したり、先例やよくあるパターンなどを知ることもできますし、一度経験してしまえば対策もより分かりやすくなるものです。
 こうしたことを知って一つずつ改善したり修正していくことで予防にもなり、ストレスを上手に躱すことにも繋がり、気持ちも楽に生きることができるようになっていくのです。