チームで物事を進める時のコミュニケーションの取り方


①気になったことは、遠慮せずにとりあえず言語化してみる
 小さなことでも言語化して共有しておくことが重要になることがあります。
 故意に誰かを傷つける発言をするのは言うまでもないことですが、例えば仕事を進める上で「これってどう思いますか?」、「これについて何か前例の資料などはありますか?」とさりげなく聞いてみることです。

 もちろん戦略やプランに関することに限らず、色々な可能性を言語化してみるとよいでしょう。
 そうすることでより意識に残り、実際にトラブルが起きてもすぐに発見して対応できることになります。
 もし言葉にしておかなければ、うっかり忘れてスルーしてしまうことになるでしょう。

 普段の仕事や生活では、懸念をしたり思ったことを言わなかったばかりにトラブルに繋がることは起こり得ることでしょう。
 仕事などでよく言われる「報告、連絡、相談」は決して馬鹿にする話ではありませんし、普段でも「一応確認しておきたい」と思ったらしておくことです。
 しかも大事なことほど、少し多めに、早めに、詳しくした方がよいですし、特に状況がよく分からない時ほど尚更した方がよいです。

 また、伝える側に立った時でも、ほんの小さなことでも何回も言うことになっても面倒がらずに伝えておくことが、円滑なやり取りや成功に繋がるのです。
 どちらの側にも立ったことがある人ならあらためて痛感するものだと思いますが、人は、伝え漏らすし、聞き漏らすし、すぐに忘れるし、何度も言わないと分からないし、何度言われないと忘れてしまうし、分かっていてもうっかり間違えるものなのです。

 

②ポジティブな言葉を掛け合う
 理由は、ポジティブな言葉を掛け合うことで気持ちが前向きになるからです。
 不安な考えがよぎるということはよくあるもので、そうなるとノルアドレナリンが出て緊張して筋肉がこわばったり、頭が真っ白になったりして、意外とあっさりと本来の実力を発揮できなくなってしまうものです。

 また、①のやり取りの際も、出来るだけ刺々しい言葉にならないようにすることが大切ですし、普段から聞いていて心地の良い言葉遣いを選び出せる人なら、チームの雰囲気もより良いものになるでしょう。
 誰だって、話しかければネガティブに引きずり込まれるような人とは積極的にコミュニケーションを取ろうと思わないですよね。

 もう少し言えば、何かの目的を達成するためにチームを組むというのは、そもそもそれなりに複雑で難易度の高いことだから一人ではなくチームでやろうとしているのです。
 複数の人が集まれば当然少しくらいの揉め事が起きるリスクはありますから、それを考えれば最初から前向きな考えでポジティブな言葉を扱える人が多い方がやりやすいですよね。
 ネガティブな感情や失敗のイメージを減らして、結果が出た時にみんなでよい思いをするためにも、ポジティブな声かけは大切なのです。

 

③苦しい時ほど笑顔を作る
 近年の脳科学研究では、楽しいから笑顔になるのではなく、笑顔を作るから楽しいと認識されるということが分かってきています。
 研究結果だけに視点を当てるかたちになりますが、苦しい時に笑顔を作ることで脳も前向きになり、緊張を和らげたり防ぐことができる、ということになります。
 その反対に、辛い、苦しい、困った表情などをするとノルアドレナリンが出て緊張し、本来の力を発揮できなくなるということになります。

 緊張している時に笑顔を作ったりポジティブな声かけをすることで「楽しさを優位にする」ことによってノルアドレナリンを押さえ込み、集中力も脳のパフォーマンスも高め、実力以上の力を出すことができるのです。
 であれば、最初から、先に自分が、苦しい最中でも、作り笑顔でもよいので笑顔を作れた方が良いですね。
 「苦しい時期を乗り越えてすべて終わった後にようやく心から笑顔になれる」と必死の形相で物事に向かい続けるのは、少なくともその時期の間は苦しいだけの時間になりますから。

 ということで、苦しい時ほど、緊張している時ほど、作り笑顔でよいので笑顔を作ることです。
 そして、仲間が緊張していたり苦しくなっている時ほど、少し笑いを入れたりほぐしたりしながらコミュニケーションを取ってあげることです。
 「笑顔を作ってパフォーマンスを上げて自分の仕事をさっさと済ませて終わり」というだけでなく、周りに対しても笑顔で接するようにして、ちょっとしたことでも小さなやり取りをして連携していくことが大切です。