競争の場で勝ち抜く或いは生き残るための心構え


①ビジョン(方向性)を持つ
 ビジョンは一朝一夕に決めるというのは難しいので、普段から色々と考えながら、行動に移しながら定めていくとよいでしょう。


 例えば、
  (1) 人に堂々と言えるものであること。
   人に言えないようなことが実現するはずもありませんし、心の中に秘めておいても意味はないことです。

  (2) 自分のやることが人や社会の役に立つものであること。
   これをビジョンに含めると、他社貢献、社会貢献、ボランティア等は、周囲からの協力を得やすいので、成功しやすいとも言えます。
   もちろん、自分のやりたいことを通して人や社会の役に立つビジョンの方が望ましいでしょう。


 そして、「いつか」を「今」に変える方法を工夫していくことです。
 「いつか」を「今」に変えることで、ゴールが設定できるからです。

 

②何かの分野で、または自分の得意分野で突き抜ける
 どんな仕事でも共通でしょうが、自分の得意分野に全精力を注ぎ込むことが大切です。
 コレと決めたら脇目もふらず、その得意分野においての才能だけを伸ばすのです。

 自分の得意な分野を絞り込み、他人には絶対に負けない能力をもつ「達人」とか「スペシャリスト」になることで、自分にしかできない、他に替えの利かない圧倒的な存在になります。
 社会や集団や市場において優位性を手にするために、非常に分かりやすい方法です。

 身近なことで言い換えれば、もし相手からの尊敬を得たいなら、そこには圧倒的な差がなければなりません。
 食物連鎖のピラミッドをイメージすると分かりやすいと思いますが、そのピラミッドの最高位への道を進むにあたっては、自分の新しい力を発見したり育成すべき個性や能力を持ち、大切にすることです。

 日本でも昔から文武両道といわれ、頭も腕っぷしも両方とも大切だという考え方があります。
 最近では「文」の方が強調されすぎてはいるような気もしますが、決して「武」をないがしろにしてはいけません。

 早い話が、ケンカが強くなくては相手を圧倒することなどできません。
 もちろん、腕力に任せてとか暴力を振るうという意味ではなく、「他人や競合とやり合っても負けない」とか、「その分野においての実力と実績が突出し過ぎているからそもそも戦いたくない」という状況を作るということです。
 一般社会でならその他にも、技術力、財力、戦術、雄弁さ、人脈などということも、相手を圧倒するための立派な力となるでしょう。

 もし自分の前に、故意にケンカをふっかけて立ち塞がる者がいるのでしたら、当然排除しなければならないでしょう。
 決してヘラヘラして引き下がったり、譲ったり、相手の思い通りにされたり、いい様に扱われないように、いざという時には叩き潰せる実力を持たなければならないのです。

 もし、うまいことその分野で突き抜けたりそれに見合う実力を付けることが出来たら、その後には、見えも聞こえもしないものに必ず注力していくことです。
 結果を出したから、自分の周囲よりも実力が上回ったから、その場所で過去一番の実績を残せたから、「だから自分が偉い」となってはなりません。

 目に見えて分かる実力や能力以外にも、感覚、運、縁、勢いなどをはじめとした、例えば「いい人に出会える力」、「応援してもらえる力」、「勢いを味方につける力」、「信じてもらえる力」、「かなり手前の段階で、無意識的に危機を回避する力」と言われるような何かを持っている方が強いのです。
 見えも聞こえもできないものを感じるだなんて、まるで映画や漫画やゲームでの話のようですが、現実でも決して疎かにできないものなのです。

 そう考えると、むしろ「得意分野を見つけて伸ばすことは大前提」となりますが、大体の場合は誰でも一番最初の小さな集団から始まって、高みに向けてだんだんと段階を踏んでいくことになりますから、そんなに気負いしなくてもよいことです。

 その場所で勝ち抜いたり生き残ったりするためにはそれが普通ですが、特にそこまで考えていない人でも、何もしないよりは何かをやって継続できている方が、経験値として後々の足しになります。
 しかも自発的に楽しんでやっていた方が、よりできるようになるし、分かるようになるし、もっと興味が深まったり高みを目指したくなったりと、良い循環に繋がるかと思います。

 

③理想の自分自身のように、現実でも実際に振る舞う
 誰がなんと思っても、自分だけは自分の人生を肯定的にとらえていくことが大切です。
 自信が欲しければ、一流とはどんなものかを経験することで強めることができますし、度胸や強気な姿勢が欲しければ、度胸があるように振る舞い習慣づけることです。

 能力も自分自身も本物として磨かれていくためには、現実において「実際にやってみた」とか「成功体験」ということ、言ってみれば、経験、場数、場慣れといった実体験が不可欠なのであって、生まれ持った素質や才能はあまり関係がないのです。

 言ってしまえば、いつも根拠など何もないくせにとにかく鼻っ柱だけは強い人ほど結果が残せるのは、どんな勝負をする時にも「俺様意識」を保ち続けるからだ、というのとそんなに変わらないでしょう。
 ですから、「自分がそれをやるのだから、自分のためにもなるし、人のためにもなるし、結果も出せるし有り難がられるのは当たり前だ。」くらいに思って、理想の自分の通りに振る舞うことです。
 「どうせ私なんて…。」だと、まだまだレベルが低いのです。

 ちなみに、根拠なしで鼻っ柱だけの面倒くさい人達が人格者だから大きな成功を収めたのではなく、大きな成功を収めたから人格者になれたのです。
 この順番は決して逆ではありません。
 それを見て周りも「そうだよね」となって、悔しいでしょうがあなたよりも鼻っ柱の方が評価が高くなるのです。

 これは、本当にそうだと思います。
 この順番を間違えてしまうと、「自分がプロのレベルにあるのにお金をとれない」ということに繋がりかねません。
 別に高い額をふっかけるのではなく、相場と同程度の金額で請求しても原価や作業時間に基づいて計算して請求してもとれないでしょう。

 いくら人格が良くても、実力がないと遠慮したり不安になったり、相手から何か突っ込まれると引いてしまうからです。
 実力だけあって人格者でなくて金をふっかける奴というのは論外ですが、人格者なのに実力が及んでいないというのも「いざという時に役に立たないと判断される」という意味では論外でしょう。
 これは完全に勿体ないですから、もう少し実力や実績を突出させることに割合を割いても良いのではないでしょうか。

 もし理想の自分があって、夢があって、実際にプロレベルがあって、現実ですべきことや知識が欠落していて、夢追い人の振る舞いだけをしていて、しかもお金をとらずに遠慮したり引っ込み思案になっていたら、どうやってこの国で税金を納めるのでしょうか。

 世の中、かなり酷いことをした人なのに、結果を出したから「武勇伝だ」と持て囃されたりするのですから、最初から人格者の優秀なあなたは、ヘンな奴らを突っぱね返す実力をつけたり、ヘンな奴らがそもそも寄ってこられないくらいの高みに行かなければならないのです。

 

④結果を出すこと
 結果を出す人は、どんなことでも「自分のメリットになることはないか」を一生懸命考えています。
 「自分だけが良ければよい」とか、「自分を最優先にする」とかいった利己主義の考え方ではなく、結果も出すけれど、周りの役にも立つけれど、自分のメリットになることもちゃんと考えているということです。

 勉強法やノウハウは、実行に移さなければ何の足しにもなりません。
 そして、最後に勝つ人は、やはり勉強して実践した人だと言えます。
 「やる奴が勝つ」という法則は、いつの時代でもどこの世界でも通用する鉄則です。

 勉強であれ仕事であれ、成功するためには結果を出すことが第一なのです。
 そのためには「自分に勝ち、他人に勝つ」という思いを常に持ち続けておくべきでしょう。
 ただし最も大切なことは、努力の末に望んだ通りの結果にならなかったとしても、「転んでもただでは起きない」ことです。

 世の中には、現場感覚や、肌感覚や、実質的な経験や能力など、素質や才能を問わず経験値にしたり伸ばしたりできて次に繋げられるものがあります。
 また、今既に実現や達成がされていても、そこで終わらずに「これから何をどれだけ生産でき、どれだけ付加価値のあるものを生み出せるか」と考えて継続させていく活動(例えば会社など)があります。
 「転んでもただでは起きない」という気持ちがあれば、取り組み始めてから結果が出るまでの特定の活動期間やその結果の良し悪しに係らず、掬い取るべき物事を掬い取って次に繋げることができるのです。

 また、結果が残せなかったと言っても、それは恐らく今回だけでのことでしょう。
 「結果を出す」ことと「自分のメリットになることはないかをきちんと考えること」が大切ならば、その時その時の一回の結果だけを見て一喜一憂している暇はないのです。
 もし今回は結果が振るわなかったら「転んでもただでは起きない」に切り替えればよく、いずれにせよ、その結果から重要なことを素早く吸収し、すぐに動き出さなければならないということです。