欠点、短所、コンプレックスに悩んでしまう時の対処 メモ

 
 結論としては、「できない自分をまず認めて受け入れる」ということが大切である。
 例えば、対人関係に不安や苦手意識を持っているというのは誰にでもあることだろう。
 他人と話していれば、感情の変化を感じることくらいはお互いにあるものなので、その中で緊張したり不安になったりするという程度は「当たり前に起こること」として思っていればよいだろう。
 
 もちろん、それで驚いたり焦ったりすることもあるだろうが、それを一回一回表情に出さないだけである。
 だから、これからは「自分にだけ何か特別なコンプレックスができてしまったんじゃないか」などと考えなくてよい。
 人は、割と不安になりやすい生き物なのだと思うが、全世界の中であなた一人にだけ突出して不幸が訪れるということはないので、過剰に不安に思ったり、心配したり落ち込む必要はないのだ。
 
 というように、誰でも何かしらの問題や悩みを抱えているものなのだが、あえて言わないだけなのだ。
 病院に通っていたり、医師の先生やカウンセラーに相談する人であれば言う機会もあるだろうが、多くの人は普通はわざわざ言わないだけなのだ。
 だから、あなただけが極端に苦にする必要はないのだ。
 
 
 
 それよりも、対人関係が苦手な自分を認めることが大切である。
 「直したい」とか「改善したい」という気持ちはわかるが、一旦は受け入れた方が良い。
 なぜなら、受け入れていないから自分のこととは切り離し、改善したり直したりすることで「なかったこと」にしようとしているからだ。
 
 「自分は他人と話すと不安になりやすい」というのであれば、まずは一旦それを受け入れて、「まあ、それもしょうがないことだから、一歩ずつやっていくか。」となれば悩まなくなるのだ。
 受け入れていないというのは「対人関係が苦手で不安になるなんて、そんなのアタシじゃない」ということなのだ。
 
 対人関係が苦手な自分を受け入れられると、いざ不安になった時も「そこそこの確率で起こり得る当然のこと」だと思えたり認識できたりするようになる。
 そうすると、「焦らずゆっくり話そう」とか、「初対面の人とはいきなり一度にたくさん会わないようにしよう」というような対処法が見えてくるのだ。
 
 また、できない自分を認める時は、自分一人でいる時に自分の頭の中ででやるのがよいだろう。
 認めたからといって、一生誰かの言いなりになって生きなければならないわけではない。
 誰かがみんなであなたのことを囃し立てるわけでもない。
 
 過去にそういう辛い経験をしたことがあったとしても、思い起こさなくてよい。
 淡々と、「今、それができていない(苦手な)自分がいる」と認識するだけでよいのだ。
 「じゃあどうしていこうか」とか、「これができるようになったらすごくプラスになりそう」というのは後から勝手についてくるので、今は認めて受け入れるだけでよいのだ。
 
 
 
 自分の「できないこと」というのは、一旦は受け入れないと何も前に進めることはできない。
 性格なり思考の癖なり、何十年も続けている考えや行動が、ちょっと「何とかしよう」と思っただけで完全に治るということはほとんどないからだ。
 
 だからこそ一旦受け入れた方が、その受け入れたタイミングでは悩みやコンプレックスを感じる瞬間はあるが、その後は消えていく。
 自分の性格や思考や行動なので「しょうがない」ことなのに、そのしょうがないところに注目してしまっていただけなのである。
 
 誰にでも悩みやコンプレックスはある。
 しかし、いちいち根詰めて考えたり四六時中思い悩んでいたりしないので、特に苦にならないだけなのだ。
 もし欠点が100個あったとしても、他人に迷惑がかからないのであればストレスにならないだろうし、まさにそれは「受け入れている(=受容している)」という状態なのだ。
 
 それを、自分の欠点にばかり毎日注目して悩んで、同じことを反復して思いを巡らせて、一日中そんなことを増幅させていたら、気持ちも落ち込んでさらに注目していき、実際に話をしている時にも不安になってさらに落ち込むのだ。
 ネガティブに注目をしてしまったことで、自分で問題を作り出しているのである。
 
 
 
 これからは、欠点、短所、コンプレックスというのは、「しょうがないので一旦受け入れる」と割り切ることだ。
 そういうのは自分の特徴であり、性格、考え方、癖でもあるので、切り離そうとするほど気になってしまい、自分でストレスを増やしているのだ。
 
 ネガティブな部分は誰にでもあるものなので、まず一旦受け入れることだ。
 そうすることで気持ちが楽になるし、これは苦しみから逃れるコツでもある。
 
 そして、一旦受け入れた上で、本でも何でもいいからアドバイスや気になることを実践してみれば、受け入れていなかったときよりも多くの効果が得られるだろう。
 受け入れもしないうちからアドバイスだ対処法だと言って調べてもどうせやらないし、やったところで大したものも得られないのだから、「まずは一旦受け入れる」ということがとても重要になってくるのである。