思っていることを言葉にしてみる、いわゆるアウトプットをしてみる、ということである。
その後、行動できるものは実際に行動に移すことである。
そうは言っても、いきなり流暢につらつらとアウトプットすることはできないだろうから、まずは自分を思っていることを、自分で紙などに書き出して言葉にして、よりはっきりさせていくとよい。
それだけでも気持ちが落ち着いたり解決できたりすることはあるが、これらに慣れてきて少しでも誰かに相談しようと思ったり、相談できる機会を得て心を打ち明けられたなら、事態が悪い方向へ進むことはより減らすことができるようになるだろう。
悩みというものは人によって、また人生のタイミングによって程度があるが、もし深刻になる前の段階で相談できたなら、「ちょっとこういうので悩んでるんだよねー」程度のやり取りで悩みを軽くすることもできるし、大きな役職を辞める辞めないなどの大事にまでならずに済む。
とは言うものの、やはり自分の思っていることをなかなか言葉にできないという人は多いのだろう。
「言葉にしてみる」とは、自分の中にあるモヤモヤした感情や思考というのを言葉にして表現することである。
言葉にして相手に伝えるということだ。
だから、書いたり話したりすることで相手に自分の気持ちや考えというものを伝える、或いは独り言として自分に言ってみて、反芻したり、より言葉を研ぎ澄ませていく、ということになる。
言葉にすることのメリットは、「言葉にするから伝わる」ということである。
「私はこんなに大変な思いをしているのに、何で分かってくれないの?」ということはよくあるが、「困っている」と言わない限り、ハッキリ言って鈍感な人には分からないのだ。
好きな人が自分の気持ちを分かってくれないのもそうだし、旦那さんが奥さんの気持ちを分かってあげられないのもそうだし、部下にもっと気を回して欲しいと思っているのになかなかそうしないというのもそうなのだ。
言葉にしないせいで伝わっていないという問題が、日常的に至るところで起こっているのである。
ただそれだけなのだ。
こういうことには意外と多くの人が気付けなかったり、普段通りの当たり前のことになってしまっているのかもしれない。
或いは、「自分はコミュニケーションが下手だ」と勘違いしたまま悩んでしまって、実はコミュニケーション以前に言語化できていないから伝わっていないということに気付かずに、ズレたまま進んでしまっているのかもしれない。
ずっと黙っている人とはコミュニケーションそのものが取れないと知っているはずなのに。
コミュニケーションをより豊かなものへと変えていくには、自分の気持ちや考えをもっと勇気を出して相手に言ったり、自分の考えを周りに上手に伝えていくようにすることだ。
それは、自分への自信に繋がるだけでなく、相手への理解、言葉のやり取りが密にできた納得感、交流することでの精神的な癒しなどにも繋がっていくのだ。
まずは、自分の中で思っていること、モヤモヤしたままでいること、将来実現してみたいことなどを言葉にしていくことである。
そして言葉にしてみた後は、そのことを行動に移してみることだ。
言葉にしてみることで行動もしやすくなるし、もちろん今できることからでよい。
例えば、勉強するなら「勉強するぞ」と言ってから始めるものである。
頭も気持ちも体も合わせるから集中もできるし、今の自分の程度が分かるし、その後進む道も少しは見えてくる。
「勉強するぞ」すら言えない人は、頭も気持ちも体も伴っていないのだから、始められるはずがないのである。