テストステロン値を上げるために筋トレ以外でできること メモ

 
 テストステロンとは男性ホルモンの一種であり、男性の場合は20歳くらいがピークで、その後は加齢とともに下がっていくと言われている。
 テストステロンの作用には、主だって以下のような点がよく知られている。
 
 ・筋肉量を増やす
 ・やる気が出る、活力が湧く、自信がつく
 ・魅力が上がる
 ・認知機能が上がる
 ・性欲が上がる
 
 一般的にテストステロンが出ている人の方が、元気やスタミナがあったり野心があったりして、仕事ができる人が多い或いは自信がついてできるようになるとされる。
 しかし、中には攻撃的な性格まで伴ってしまい、様々な面でうまくいかなくなるケースがあると言われている点にも注意が必要である。
 全体として見ると、テストステロンは男性にとっては良い作用の方が多いため、加齢とともにその値が下がってくることに対して、維持をしたり上げようとしたりしていく方が、日常の生活から溌溂として過ごしていかれることに繋がるだろう。
 
 
 
 

1. テストステロン値を上げるには

 テストステロンレベルを上げるためには、次のようなことをすると良いと言われる。
 
 
 

①筋トレをする

 テストステロンがたくさん分泌している人の方が筋肉がしっかり発達していることが多く、分泌が下がってくると筋肉がやせ細っていくということがある。
 筋トレにも様々あるが、次のようなものが推奨されている。
  ・通常言われている筋トレ
   15~30分程度でも上がり、特に、比較的激しい筋トレをやった時の方が上がると言われる。
  ・ダンベルやバーベルを持って行う加圧トレーニング
   5~10分程度でも十分にテストステロンを増やす効果があると言われている。
  ・たくさんの筋肉を一度にしっかり使い、且つ運動量が多いもの
   例えばスクワットなど足の筋トレや、ベンチプレス、デッドリフトなど。
  ・普段から長期的にやる
   ある期間のみ鍛えるよりも良いとされる。
 
 もちろんその効果には個人差のあることだし、初心者が思い立っていきなり激しい筋トレをするのはあまり良くないだろう。
 加えて、忙しい時こそストレスも溜まりやすいしバランスも崩しやすいため、そういう時こそ短くても良いのでエクササイズを行うとよい。
 
 注意点として、90分以上の筋トレをやるとコルチゾールというストレスホルモンが分泌され、テストステロンレベルが下がり、かえって筋肉が付きにくくなってしまうと言われている。
 また、マラソンをはじめとした長距離走などは、テストステロンが下がる上、体の故障や不調が起こりやすくなるとも言われている。
 
 
 

②体脂肪率を一定に保つ

 体脂肪率は、高すぎても低すぎてもテストステロンレベルが下がってしまうとされ、一般的には8%から15%ぐらいが最適と言われている。
 体脂肪率を機器を用いずに確認する目安としては、鏡などを見る時に腹筋に力を入れてうっすら割れているのが見えるくらいの状態が体脂肪率15%と言われている。
 
 (1)体脂肪が付き過ぎの場合
 体脂肪をつけすぎてしまうと、脂肪組織が持つアロマターゼという酵素が活性化してしまう。
 それによりテストステロンをエストロゲンに変換してしまうため、太り過ぎは良くない。
 
 (2)体脂肪率が低い状態で保たれてしまっている場合
  低栄養状態が続くと体が栄養不足と判断し、テストステロンレベルが下がることがある。
  あまりにも体脂肪率が低い状態が続くと免疫力も下がり、病気になりやすくなる。
 
 
 

③体温を上げる

 体温が下がるとテストステロンが減少し男性機能が低下する。
 しかし、体温を上げるとテストステロンが増加して、筋肉量が増え脂肪が減少し代謝も高まる。
 例えば風呂なら、42°Cなら10分、40°Cなら20分くらい湯船に浸かると良いだろう。
 
 
 

④ストレスを溜めない

 ストレスを溜めすぎるとコルチゾールが分泌されてしまい、テストステロン値が下がってしまう。
 自分なりのストレス発散方法を持ったり、一日一回はリラックスできる時間や環境を作るとよいだろう。
 また、一般的にテストステロンが出ている人の方が、やる気、活力、元気、スタミナがあったり、自信や野心があったりして、仕事ができる人が多いと言われる。
 
 ただし、攻撃的な性格になってしまい、仕事や人間関係がうまくいかなくなってしまう人も中には出てくるそうなので、そうならないように気を付けること。
 自分だけ健康になったり強靭な体を手に入れれば、他人はどうでもよいということにはならないのだ。
 
 
 

➄睡眠をたっぷりとる

 テストステロンの分泌が最も活発なのは、深夜から明け方にかけて眠っている時で、朝起きた後に身体を活発に動かせるようにするための準備でもあると言われている。
 一般的には睡眠時間は7時間から9時間程度が良いとされており、少なくとも7時間は確保した方が良いだろう。
 
 睡眠不足の人はテストステロンが減っていくことが分かってきている。
 ストレスが男性ホルモンを低下させることはよく知られているが、そのストレスに対処するにはやはり睡眠がよいだろう。
 
 
 

⑥バランスのとれた食事と栄養

 結局のところ、健康な体でないとテストステロンは分泌されないため、タンパク質、炭水化物、脂肪、ビタミン、ミネラルを始めとした、あらゆる栄養素をまんべんなく摂ることが大事になる。
 たとえダイエット中であっても、テストステロンの視点から見ると、やはり満遍なく取るべきである。
 
 ・糖質
  糖質制限をすることによってテストステロンレベルが下がるという研究データがある。
 
 ・タンパク質
  テストステロンはタンパク質の合成を促すので、タンパク質の摂取やアミノ酸摂取でテストステロン値の上昇が期待できる。
 
 ・脂質
  脂肪の中でもコレステロールはステロイドホルモンの原料になるため、テストステロンを上げる為には必須となる。
  ダイエット中には脂質の制限はよく聞くが、脂肪が不足するとテストステロン値は下がる。
  だから、脂質制限で総カロリーを抑えるダイエットをしていると、テストステロン値が大きく下がって筋肉が細くなってしまったり、性欲が全くなくなってしまうということもあるので、摂取カロリーの15%から20%程度を脂質でとるのが良いとされている。
 
 ・アリシンを含むもの
  にんにく、玉ねぎ、ブロッコリー、長ネギ、ニラ、らっきょうに含まれているアリシンは、体内でビタミンB1と結合してアリチアミンとなり、テストステロン値を上げるという作用がある。
 
 ・魚の脂
  これ含まれるオメガ3脂肪酸などがテストステロンの上昇に効果があると言われている。
 
 他に、赤身の肉、カブ、なども良いとされている。
 
 ・ビタミンD
  体内のビタミンDの量とテストステロンの総量は比例すると言われている。
  天然のテストステロンブースターとも言われる反面、不足するとテストステロン値は大きく下がってしまう。
 
  ビタミンDは日光に当たることで皮膚で皮膚で作られると言われている。
  推奨量は一日に600IU、上限の目安が4000IUとされているものの、日本人の8割はビタミンD不足と言われている。
  摂取量と効果については3000IU摂取するようになるとテストステロン値が25%上昇したという研究結果もあるが、例えばテストステロン値を上げるためにサプリメントだけに偏って摂取するなどの行動は考え物である。
 
 ・亜鉛
  1日当たり11ミリグラムが推奨量とされているが、それも取り過ぎは体に良くなく、上限は40MGとも言われている。
 
 
 

⑦その他

・人と交流する、仲間を大切にする
 上記の食事の項にもつながるが、一人で食事をせず誰かと一緒に食べることも良いとされている。
・興味のあることに対して凝り性になる
 研究したり勉強したり、好きなことを見つけてそれに没頭する時間を作れるとよい。
・ワクワクすることをする
 目標を持ったり新しいことにチャレンジするとよい。
・よく働く、よく動く
・おしゃれをする
・大声で笑う
 
 
 

2. テストステロンの減少について

テストステロンが減少すると、以下のような状態が表れると言われている。
 
 ・何もやる気が出なくなる
 ・集中力が低下する
 ・性欲が低下する
 ・お腹を下しやすくなる
 ・不眠になりやすくなる
 
また、テストステロンレベルを下げるものとして、以下の項目があげられる。
①アルコール
少量だったら体によいという別の研究データもあるが飲み過ぎは良くない。
 
②喫煙
末梢の血流を悪くし、テストステロンレベルを下げるのでよくない。
 
③大豆
大豆イソフラボンは女性ホルモン用の作用があり、テストステロンの働きを抑えるという作用があるため、普通に摂取するぶんには問題ないが取りすぎはよくない。
納豆を一日に二パック程度ならそれほど問題ないと言われている。
 
④グレープフルーツ
フラノクマリンという物質に女性ホルモンを活性化させる作用があり、結果的にテストステロンレベルを抑制する方向に働くため、食べ過ぎは良くない。
 
 
 

3. その他

・テストステロンの増加と長寿の関係
 テストステロンが増えると長生きすると言われており、男性が女性よりも短命であることはよく知られていることだが、その理由は血管にあり、女性ホルモンであるエストロゲンには強い血管保護作用があるためとされている。
 
 しかし、エストロゲンほどの効果はないが、男性ホルモンであるテストステロンにも血管を保護する作用があると言われている。
 テストステロン値が低いままだったり、年齢とともに減少していってしまうということをそのままにしてしまうと、血管が脆くなり、血管の病気にかかりやすくなってしまうということに繋がる。
 
・テストステロンの低下と肥満との関係
 テストステロンが低下すると肥満になりやすくなると言われている。
 テストステロンは、食事から得たエネルギーを筋肉に変える働きがあり、がっしりとした筋肉質な体作りの土台となることができる。
 
 しかし、テストステロンが低下していると、食事した分のエネルギーが筋肉ではなく脂肪に変わってしまうのだ。
 その結果、テストステロンが低下してきた頃の年代に合わせて、中年太りになってしまうということにつながってしまう。
 
 
 
 日々の生活をただただ消化するということはせず、様々なことを知り、健康で楽しく生きられるように積み重ねていくことが大切である。
 
 
 
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●参考
・テストステロンレベルを上げるためにやるべきこと(高須幹弥)
https://www.youtube.com/watch?v=-N3HNAM88d8
 
・テストステロンレベルを上げるために必要な栄養素、食事、サプリ(高須幹弥)
https://www.youtube.com/watch?v=wZy_kETzDbE