SNS、あるいは同じような類のツールでもそうだが、本来は楽しむためにやったり、自分がより良くなるために使うものであろう。
こうしたものを利用することで暗い気持ちになったり、腹を立てたり、自分の時間を過剰に浪費するというのは本末転倒である。
一昔前は「ゲームは1日1時間まで」などという言葉も流行ったが、同じようにSNSだって1日のうち1～2時間程度に収めるようにコントロールしてみるとよいだろう。
なぜかって、何しろ自分のために使うべき大切な時間を捨てているからである。
自分とは全く違う世界に生きる人間がする投稿を見るのは、最初のうちは楽しいかもしれないが、実際のところは見なくていいところまで見てしまっているものなのだ。
自分にとって必要なニュースや一次情報などを絞って見ていくならば、多くの場合、延々と何時間も見てしまうということは起きない。
それを、朝から晩まで何時間でも見ているというのは、どうでもいいことまで時間を使って見て回り、必要以上に誰かに感化されてしまっている、と言う他ないだろう。
もしもSNSを見てきたことで、辛くなった、不安になった、ネガティブになった、攻撃性が上がった、何もする気が起きなくなった、というような場合がもしあれば、さっさと見るのをやめた方が良い。
多くの場合は、自分が発信の主体となっているのではなく、誰かの情報を追いかけ続けるという、主従関係が逆転していることが原因であることに尽きる。
そして、タイムラインの閲覧に時間を費やすことになるのである。
仮に、5時間も6時間もタイムラインを見続けていたとしたら、その時間の分だけ他人の影響を受けるリスクが上がるということである。
彼らの影響力から逃れるためには、例えばスマホを閲覧に使っているとしたら、まずはタイマー機能を使って30分なり1時間なり時間を制限することだ。
ちなみに筆者は、気になるニュースを絞って目を通したり、好きな著者の著作や音楽家の公演情報を確認したりブックマークする程度である。
さすがにニュースなどはタイムラインを使ってまとめて見ていく方が適しているが、著作物や公演情報などの確認は、ほとんどがその人のページの先頭に固定して広告しているので、そこを半月に一回程度確認をすれば済む。
この時点で、タイムラインや読み物にはたくさんの広告が入ることと、何かの作品や商品を売る人達はSNSを広告として使っているということに気付いてほしい。
それが悪いことだとは言わないが、分かって使う方がはるかに良い。
もちろん秀逸な投稿を見つけてしまった時は、読み耽ったりリツイートやシェアをてしまうことも時にはある。
しかし、Instagramに投稿されるような見ず知らずの人のキラキラな生活を見て羨ましがったり、Twitterで見ず知らずの人の知的なツイートを探し回ってリツイートしてみたり、ということにはほとんど興味がない。
もし自分の中で、自分の人生を自分の力で何とかして生き抜いてみようと考えている割合が多いのであれば、他人の情報発信はある程度は参考にするとしても、例えば次の例のように、もう少し自分自身を見つめ直すことに時間を使っても良いのではないだろうか。
・自分はこれから先どうしていきたいのか。
・今年はどんなことがやりたくて、今月はどんなことをやった方が良いのか。
・自分の好きなこと、得意なことは何か。
・どのような人々と人間関係を築いていきたいのか。
・人生でどのぐらい豊かになりたいのか。
このようなことを自問自答してみて、一体どれだけ自分の言葉でひねり出せるか。
また、どれだけ他人の言葉や文章やその他の見事な表現を、自分の言葉として取り込むことができるのか。
そうしたことのために、自分と向き合う時間を作ることも大切なのだ。
結局のところ、まずは自分の軸を先に定めるべきなのである。
そうすれば、他人がどれほど煌びやかな生活をしようが、高級な買い物をしようが、世の中はこうあるべきだと主張してこようが、惑わされることはないのだ。
しかし、自分の軸が定まらない状態でSNSを見続けると、他人の言葉や行動に目を奪われたり、自分で考えることをしなくなったり、世の中が分からなくなったりしていくのだろう。
これはある種、不幸になっていると言えるのではないだろうか。
他人に影響されやすい人が無条件に他人の考えに触れ続けていくことを簡単に許してしまえば、本来自分が進むはずだった道からはどんどん離れていき、時間の無駄でもエネルギーの無駄でもなく「人生の無駄」となってしまうのだ。
せめて、閲覧が1日に2時間を超えてしまうのであれば、現実の付き合いのある友人ではない赤の他人のフォロワーやインフルエンサーや、恐らく過剰に購読しているであろうニュースなどから不要なものを間引いていくのがよい。
そうして、自分が生きるべき時間を取り戻していった方が良いだろう。
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その他にも参考として
