①一旦認めて受け入れる
短所を何とかするには、もしかしたら少し辛いかもしれませんが、短所を一旦認めて受け入れて、それを活かす道を探ってみるとよいです。
なぜ短所や欠点があったらダメなのでしょうか。
或いは、なぜ短所や欠点があったらダメだと思い込んでいるのでしょうか。
もしその短所が重要な試験や参加条件などに当てはまたり、病気や疾患が進行してしまう恐れがあったり、その機会を逃すと人生の進路を大きく変わってしまうのなら何が何でも改善する必要があるのかもしれませんが、普通の生活の範囲の悩み等であればそこまでしなくてもよいのではないでしょうか。
ここでは普通の生活の範囲ということで進めますが、結局のところ、自分が短所だと思い込んでいるだけであって、それをどうやって長所や武器や得意分野にしていくかを考えたり、どうしたら補えるかを工夫できるようになった方が余程よいでしょう。
そういうことを何も考えずにいるから、何の戦略も回避策も生まれず、短所を短所のまま抱え込んで悩み苦しむことになってしまうのです。
②視点を変えてみる
例えば、「外向的な性格になりたいのに自分は内向的だからそれが短所だ」という人がいたとします。
一見すると確かに短所や欠点に思えますが、日本人はかなりの割合で内向的と言われることもありますから、実際はどうなのか、アンケート結果などを調べてみることもできるでしょう。
この例に限れば、実はその結果、その人が生涯日本国内だけで生きていく限りは大多数の範囲内であり、むしろ普通とか一般人といった括りに入るということに気付けるのではないでしょうか。
ただ、心理や精神の分野の研究では、性格には遺伝子が関与しているという話も見かけますから、それが確実性があって万人に当てはまるというのでしたら、内向的な性格を外向的に無理矢理変えるのは恐らく大変なことなのかもしれませんが。
仮に内向的であっても一人で何か作業をする時に高い集中力や効率を発揮するのであれば、内向的な性格という一点に気を取られてその長所に気づいていないことも考えられます。
要は「実は長所だと気付けるものがないか探してみよう」ということなのですが、自分の短所にばかり目を向けていると、誰だって視野が狭まってしまうのです。
それなら、新しいことに挑戦してみたり視点を変えてみたりしながら自分の可能性を見つけ出していった方がよいはずです。
物事には「深める楽しみ」もあれば「広げる楽しみ」という見方もありますから、新しい挑戦といっても、遊びや楽しみの時間の中から始めてみたってよいですし、もし特に挑戦したいことがなければ、とりあえず新しいことを10個やってみるという目標を立ててやってみるのでもよいです。
たとえその10個がそれぞれ一回限りしかやらなかったとしても、それでもいいから実際に10個やってみるとよいでしょう。
やり方は自分で考えて決めていいのです。
だって、短所と思い込んだのは、どこかで公式に決められた手順で導き出されたのでなく、自分で決めたのでしょう?
自分の短所について視点や受け止め方を変えたり新しい長所を見つけようと試みることに対して、世の中の常識にとらわれたり、「〇〇しなければならない」、「だから自分は〇〇なんだ」という思考に支配される必要はないのです。
③変化のきっかけになりそうな言葉を調べてみる
例えば、物を捨てられずにいる人が、その性格について何とかしたいと悩んでいるとします。
この時に、「何とかしたいなあ」とだけ思い続けていると、自分自身でそれを短所や欠点とみなしてしまう可能性が上がってしまうことになります。
そうでなく、何とかするためのきっかけとなる言葉をいくつか探しておき、気にかけておくとようにしてみるとよいです。
例えば、引っ越し、ミニマリスト、終活、日本庭園、枯山水、空間対比、風通し、風水など、自分で思ったことを調べてみれば、他にも自分に合った様々な言葉が見つかることでしょう。
その中から実際に小さく始められそうなことから始めてみることです。
ちなみに筆者も物が捨てられずに困っていた時代があったのですが、その当時は「砂漠のマラソン」という言葉について興味を持ちました。
後にサハラマラソンという競技だと知ることになります。
過酷な砂漠を乗り越えて走破するために、必要最低限の荷物を駆使していくのですが、持ち物の量が多過ぎればタイムは縮まらないし、少なすぎれば限界を迎えて途中棄権の確率が高まるのです。
この時期には、「ある目的のために必要なものを、どのように管理していくか」ということに関心がありました。
今後の自分がまさかサハラ砂漠でマラソンをすることはありませんが、自分の生活範囲でできることとして、普段使いの鞄やスーツケースに入れる中身、机の中身、引き出しの中身などについて必要な物や愛着のある物などを選別してみると、結果としてかなりの不要なものを処分できたのです。
これはただの筆者の体験談でしたが、一先ずはいつもの決まった思考や行動から少し視野を広げてみて、興味を持ったり気に入ったものがあればやってみることです。
色々なことに挑戦して良いのですし、そこから深めていけばよいのですし、もし実際に深まったとしたら、それは自分自身の持つ「自分で何とかできる」という力や長所の一つだと言えるでしょう。
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さて、短所を克服しても人生は楽しくならないなんてことはしょっちゅうあるものです。
まず克服するのが大変ですし、克服したところで他の短所に目が向いてしまうことでしょう。
仮にそれを真面目に一つずつ克服していくとしたら、それだけで一生が終わってゆくのでしょう。
そうならないためにも、他のところにもきちんと目を向けた方がよいのです。
また、残念ながら世の中には、あなたに短所があってほしくて仕方がない人がいたりして、遭遇してしまうことがあります。
その残念な巡り合わせの時に、残念な彼らがやることは実に簡単なことです。
①まず、あなたの短所を短所だと認識させて直させる。
②あなたが短所を一生懸命直している間、好き放題に使う。
③短所が改善されてきたら別の短所を見つけて、それも合わせて直させる。
④②に加えて、人として不安になる旨を伝えていく。
蓋を開けてしまえばこの繰り返しなのですが、真面目な人ほど実に見事に陥れられて、いい様に使われてしまうのです。
やはり、自分の短所は一旦は認めてしまうことにして、出来ればそれを自分の力ではっきりと言葉にできたり、視点を変えて見ることができるようになるとよいでしょう。
ここで「これは自分の短所だ、欠点だ」と自分の心を締め付けたり、落ち込んではなりません。
また、自分の大切な人生の時間を残念な人に差し出す必要もありません。
「これは短所かな?欠点かな?」と感じて悩み始めた時は、「それはそれ」として切り分けて一旦落ち着いた後に、「これが長所や武器にならないか、活かせる場所がどこかにないか」と探ってみることです。
自分が落ち込んでいく考え方をするよりも、前向きになる考え方をして、自分にとって有利になる物事を増やしていった方がよいのです。